節税に使える減価償却費とは?

 

○減価償却を使って節税が出来る

 

 法人税を節税する方法の中に、減価償却を使った手段があります。減価償却とは月日の経過とともに価値が下がる資産を、耐用年数で分割して損金計上することです。

 

また、資産評価の観点からみると、資産の残存価値を把握するための指標としても捉えられています。

 

 このような減価償却ですが、節税対策の一環としても使われるのです。

 

本記事では法人税を節税するために、どのように減価償却費を使えばいいかに焦点を絞って説明します。

 

 

○減価償却対象資産とは?

 

 使用期間が1年以上にわたるもので、かつ10万円以上の固定資産が該当します。

 

そして、減価償却対象資産を分類すると、有形固定資産や無形固定資産、生物の3つに分けられ、それぞれに含まれるものは以下のようなものがあります。

 

・「有形固定資産」には、建物や機械設備、車両運搬具や船舶など

 

・「無形固定資産」には、特許権や商標権、ソフトウェアなど

 

・「生物」には牛や豚などの動物、植物

 

 

○資産ごとに耐用年数が定められている

 

 減価償却対象資産には、それぞれ耐用年数が定められています。

 

耐用年数とは、対象資産の費用を分割するための便宜上の年数のことです。

 

したがって、耐用年数を超えても資産が使えなくなることはありません。例えば、以下のように資産の耐用年数が定められています。

 

・「事務所用鉄筋コンクリート造り住宅」は50年
・「事務所用木造住宅」は24年
・「車両運搬具」は6年間

 

 このように一つ一つの資産に対して、耐用年数が省令によって定められています。

 

 

○減価償却の方法は4種類ある

 

 資産の取得費用を耐用年数で分割する「取得費用÷耐用年数」方法を定額法といいます。

 

定額法以外に以下の3つの方法があります。

 

・「定率法」
「取得原価×償却率」で費用を計上する方法で、主に法人で用いられている

 

・「生産高比例法」
「取得原価÷予定生産高×実際生産高」で計算する方法で、対象資産の利用見込みが把握できる場合にのみ採用される

 

・「リース期間定額法」
「取得原価÷リース期間」で計算でき、リース品の減価償却に用いる

 

 このように減価償却の方法は4種類あり、減価償却できる損金額が変わるので覚えておきましょう。

 

 

○減価償却費で節税する際の注意点

 

 減価償却を使った節税にはコツがあるので押さえておきましょう。

 

・節税効果が高いのは中古資産
・期首に近い月ほど、減価償却割合が大きい
それぞれを詳しく見ていきます。

 

 

○節税効果が高いのは中古資産

 

 新品資産と中古資産を比べると、より減価償却しやすい資産は中古資産となっています。

 

なぜなら中古資産は法定耐用年数の全部、あるいは一部を経過しているため、新品資産よりも耐用年数を短いからです。

 

中古資産の耐用年数は以下のように計算できます。

 

・法定耐用年数を全て経過している場合は「法定耐用年数×20%」で計算する

 

・法定耐用年数を一部を経過している場合は「法定耐用年数−経過年数+経過年数×20%」で計算する

 

この計算で耐用年数を知ることができ、耐用年数が2年未満であれば一括償却できるのです。

 

 

○期首に近い月ほど、減価償却割合が大きい

 

 償却率が「1」、つまり一括償却できる資産があったとしても、これをいつ取得するかによって減価償却額が変わります。

 

なぜなら、減価償却は月ごとに償却するように決められているからです。

 

例えば、100万円の資産を期首に取得するか、期末に取得するかによって以下のような違いがみられます。

 

・期首に取得する場合は、「100万円×12/12」と計算されるため、100万円を償却できる

 

・期末に取得する場合は、「100万円×1/12」と計算されるため、83,333円を償却できる

 

 

 このように取得する月によって減価償却が変わるため、節税対策として用いる場合には取得のタイミングにも気をつける必要があります。